プロジェクトへの参加

■ボランティアとして

私が、街並み絵巻という作品を作るに当たって、東京工芸大学の学生にはボランティアで参加してもらっており、参加者へ作品の意義を説明したり、透明水彩で色を塗るときの指導などをしてもらっています。

もちろん、手伝ってもらうことで私としては助かるわけですが、学生にとっても良い経験の場になっていることは間違いないでしょう。水彩を描くワークショップに参加しながら、思い出横丁への強い愛を語る人、昔の賑やかな時代を懐かしむ人、中には、亡くなった奥さんが何故あんなに絵を描くことが好きだったのかが、自分が描いてみて今やっと分かったよ、と言って涙を流す人、などなど、いろいろな人の話を直接聞くことになります。

今、思い出横丁の様な飲み屋の横丁は忘れられ掛けていますが、ここには狭いカウンターに押し込められるからこそ生まれるコミュニケーションがあります。そのようなコミュニケーションを今の若い人は経験する機会はほとんどないといって良いでしょう。しかし、ここで生まれるコミュニケーションにはコミュニケーションの原初的な要素がいくつも残っているのです。

この思い出横町に来て、美術大学でコミュニケーションデザインを学ぶ学生がワークショップを行い、いろいろなコミュニケーションの形を学ぶこれはとても価値のあることだと思います。また、参加してくれた多くの人からもボランティアとしての重要性を指摘して頂きました。

はじめは、町の中にアートを持ち込むことの意義を知ってもらうために学生をつれ出すつもりでした。特に最近は闇雲にアートが町中に入って来ています。ただ行うだけでは意味はなく、意味のある作品にするには、実施するアーティストがその場所を真剣に考えなくてはいけないのだということに肌で気づいて欲しいという思いでした。

しかし、今となってみると、そのこと以上にこの特殊な場所で行っていることの意義が大きく感じられてきました。このような日本でも珍しいコミュニケーションのるつぼで学生とアートを模索してるのも面白いのではないかと思い、2010年度からは、思い出横丁を大学の美術教育演習の場としても生かしてみようと思っています。

■美大の演習課題として

東京工芸大学芸術学部デザイン学科笠尾研究室では、3年生の前期の課題として、2010年度から、思い出横丁のお店に行き実際にそこでのコミュニケーションを体験して、そのコミュニケーションを作品化するという課題を試験的に始めます。15人いる3年生のうち何人の学生がこの演習に興味を持つかということ自体に私も興味があります。4,5月と6,7月の二回に分けて、週一回横丁で飲んで体験するという、演習を開始します。

その経過はまた、ここで報告したいと思います。

■エピソードスケッチ

2009年に行ったワークショップ「エピソードスケッチ」は思い出横丁の思い出を絵と文章で記録する活動です。
この活動は街並み絵巻プロジェクトと共にNHKおはよう日本で紹介された活動です。


エピソードスケッチを見る>>

■お問い合わせ

町並み絵巻プロジェクト事務局
 info@mailpaint.com

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